薬 草 の 煎 じ 方
煎じるということは、漢方薬や民間薬に水を加えて煮ることです。これにより有効成分が溶け出してきます。
煎じる量は種類によって異なっていますが、たいていの場合3〜20gくらいです。分量も生薬の性質や使う
目的によって異なっていますので注意を要します。煎液は毎日煎じてその日のうちに飲むようにし、煎じかす
を再度使用しないようにします。
煎じ方は次の要領で行います。
  @煎じる容器は土瓶のような焼き物か、ガラス製のものがよいのですが、アルミ、アルマイト、ホーロー引きの
   やかんやなべでもよいでしょう。ただし、鉄や銅製のものは煎液との間で化学変化を起こし変質するおそれが
   ありますので避けることが必要です。 
  A容器の中に1日量を入れ、水0.4〜0.6L(約3合)を加えます。やや弱い火で煎じ、沸騰してきたら 
   さらに火を弱めて40〜50分間くらい煮て、液の量が半量になったら火を消し、熱いうちに茶こしかガーゼ
   などでかすをこし分けます。 
 飲み方
 飲み方はこした煎液は1日分であり、これを1日2〜3回ときに数回に分けて食前か食間の空腹時に温かい
 ままで服用します。食前とは食事前の30〜60分をいいます。煎液は温めて飲むのがよいのですが、人により
 病気により異なります。少しの量でも胃に負担を感じたり、吐き気のある場合には常温で少量ずつ飲むか、
 食後に服用します。
 老人や小児の1日量は普通大人の体重を50kgとして換算して減量します。例えば、体重15kgの小人は
 大人の約3分の1量となります。もちろん症状による増減はあります。また年齢により10歳前後では大人の
 2分の1量、6歳くらいで大人の3分の1量、3歳くらいで大人の4分の1量を目安に飲みます。
 良薬は口に苦し(にがし)といいますが、とくに漢方薬の場合、なかでも慢性病では初めは苦くて飲みにくい
 のですが、順々とおいしく飲むことができるようになります。いわゆる病気の証と煎液の証が一致している
 ということで煎液がおいしくなっていることがあります。