分布・生育場所 |
科名:バラ科/属名:ボケ属
和名:花梨/花櫚/学名:Chaenomeles sinensis
中国原産の落葉性高木で日本全国で広く植栽されている。
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採集と調整 |
カリンは、落葉後の10〜11月に、樹上に残って暗黄色に熟したものを採取して、10分程度湯通しして縦割りにして乾燥させます。
これを生薬(しょうやく)で、木瓜(もっか)といいます。
栽培
カリンは、挿し木により殖やすことができます。挿し木には、春ざしと夏ざしがあって、春ざしは、前年に伸びた枝を10〜15センチに切って、鹿沼土(かぬ
まつち)と川砂の混合土に挿し木をします。
また、夏ざしは、6〜7月上旬に、その年に伸びた枝を10〜15センチの長さに切って、春ざしと同様に挿し木をします。
半日日陰に置いて、葉水を与えるようにします。発根したら、鉢植えか、庭などに定植します。
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用い方 |
通常2リットルぐらいの容器に水約600mlを注ぎ、本品10〜15gを入れて弱火で加熱し、沸騰後約10分、弱火で煮だし、熱いうちにガーゼまたは茶こしでカスをこしてください。これをそのまま又は冷やして数回に分けてお茶代わりにお召し上がりください
カリンに含まれている注目の成分・・・
ペクチン
カリウム、クエン酸、リンゴ酸、
アミグダリン、
トリテルペン化合物
ベンズアルデヒド
カリン酒
冬期に採取した果実5〜6個を、縦横6〜8個くらいに刻んで、ホワイトリカー1.8リットルに漬け込み砂糖300〜400グラムを入れます。
完全に熟成するまでには半年以上かかりますが、漬けてから2ヶ月程度で美しい淡黄色になり、芳香が出てくるので飲むことができます。
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その他 |
カリンは、榠さ(べいさ)とも呼ばれていて、中国中部の原産です。古くに日本には渡来しましたが年代はわかっていないようです。
カリンの材は、辺材が淡赤色で心材は暗紅褐色をしていて、非常に堅硬緻密でしかも粘りが強く、色調光沢ともに美しいので床柱、造作の装飾部分、家具、玉突
台、杖、額縁、彫刻材料、バイオリンの弓などに用いられています。
マルメロは、中央アジア原産、カリンは、中国原産で、マルメロ、カリン共に近縁種で落葉高木
カリンは、中国から古い時代に渡来して庭木や盆栽などに植栽されていた
マルメロは、寛永11年ころに、長崎に渡来したという記録が残っていて、現在は長野県を中心に栽培されている
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