分布・生育場所 |
本州の中部以北の山地の湿地に自生する落葉高木で高さ約15メートル、幹の太さ直径約60センチになる雌雄異株で日本固有種
樹皮は暗褐色、縦に割れ目がはいる
葉は奇数羽状複葉、対生、長さ18〜35センチ、小葉の長さ5〜15センチ、幅3〜6センチ、2〜3対の広卵形〜長楕円形、先端は急に尖り、葉縁に浅い鋸歯がある
花は4〜5月、新枝の先端や葉腋に、葉の展開とほぼ同時に円錐花序につける
花には花弁が無く、雄花には雄しべ2本、雌しべは無し、雌花は雌しべだけのものと、仮雄しべ2本がつくものがある
果実は、翼果、倒披針形、長さ3〜4センチ、幅0.6〜0.7センチ
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採集と調整 |
春から夏に、樹皮を採取して天日で乾燥させたものを、生薬名(しょうやく)で、秦皮(しんぴ)と呼ぶ
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用い方 |
通常2リットルぐらいの容器に水約600mlを注ぎ、本品10〜15gを入れて弱火で加熱し、沸騰後約10分、弱火で煮だし、熱いうちにガーゼまたは茶こしでカスをこしてください。これをそのまま又は冷やして数回に分けてお茶代わりにお召し上がりください
シンピに含まれている注目の成分・・・ マンニトール エスクレチン
グルコシド(エスクリン)
トネリコの仲間には、アオダモ(コバノトネリコ/小葉のトネリコ)があり、北海道、本州、四国、九州と全国に分布
これは、アオダモの枝を切って水に入れておくと、殺菌性の強い、クマリン配糖体・エクスクリンが水に溶け出して、水が藍色の蛍光を出すことからアオダモと呼ばれている
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その他 |
名の由来は、「樹木大図説」には、「枝に介殻虫(かいがらむし)がつき白蝋(はくろう)を分泌し、この蝋を「トネリ」とい
い溝に塗ると戸滑りがよくなる。トヌリキ(戸塗木)より転じてトネリキ、次にトネリコとなると説明している
トネリコ、アオダモ(コバノトネリコ)の材は、野球のバット材、各種器具材として用いられてる
また、樹形が直立して、湿地に向く性質から、越後名寄の田の畦(あぜ)に刈り取った稲(いね)を干す稲架木(はさぎ)として植栽される
低湿地に向くということで、東京・江戸川区の7,000本の並木の半数はトネリコだという
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